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生きづらさはなぜ生まれるのか|努力では解決できない理由を構造から考える

生きづらさとは何でしょうか。

人と関わることが苦しい。
何をしても満たされない。
同じことで悩み続けてしまう。

多くの人はこうした状態を「自分の性格の問題」や「努力不足」と考えます。しかし実際には、生きづらさの多くは個人の問題ではありません。そこには、ある構造があります。

生きづらさは「努力不足」ではない

一般的には、生きづらさは次のように説明されます。もっと前向きになればいい、考え方を変えればいい、自信を持てばいい。しかし、こうした方法で根本的に変わる人は多くありません。

なぜなら、生きづらさは意識の問題ではなく、すでに出来上がっている構造の問題だからです。人はそれぞれ、これまでの経験や感じ方の傾向の中で生きています。そのため、意識だけで変えようとしても、同じ状態に戻ってしまいます。

理由① 未完結の経験が影響している

生きづらさの一つ目の原因は、過去の経験が未完結のまま残っていることです。例えば、誰かとの関係で傷ついた経験があるとします。その出来事を十分に理解しないままにしておくと、「なぜ傷ついたのか」「自分は何を求めていたのか」が言葉にならないまま残ります。

すると、その未完結の経験は消えず、似たような場面で再び現れます。同じような人間関係に入り、同じように傷つくということが繰り返されるのです。

これは過去の問題ではなく、過去がまだ終わっていない状態だと言えます。

理由② 生まれ持った性向がある

二つ目の原因は、人それぞれに「性向」があることです。性向とは、どのように感じやすいか、どのように考えやすいかといった傾向です。例えば、他者に強く期待する人、自分を抑えすぎる人、不安を感じやすい人などがいます。

この性向は簡単には変わりません。そのため、環境が変わっても似たような反応や選択を繰り返し、生きづらさが続くことになります。

未完結と性向が重なると「生きづらさ」になる

重要なのは、この二つが重なることです。

未完結の経験
生まれ持った性向
生きづらさ

例えば、承認を求める性向があり、過去に認められなかった経験がある場合、人は他者の評価に強く影響されるようになります。そして、思い通りにいかないと強い苦しさを感じます。これは性格の弱さではなく、構造の結果です。

なぜ努力しても変われないのか

ここで多くの人が、「では努力すれば変われるのではないか」と考えます。しかし実際には、努力だけでは変わらないことが多い。

なぜなら、未完結の経験は言葉になっておらず、性向は無意識に近いところにあるからです。つまり、自分で把握できていないものに対しては、コントロールが難しいのです。そのため、「変わりたいのに変われない」という状態が生まれます。

生きづらさは「理解の手前の状態」

ただし、生きづらさは無意味なものではありません。それは「まだ理解されていない何かがある」というサインです。人は、理解できなかった出来事をそのままにしておくと、別の形で繰り返し経験します。生きづらさとは、その繰り返しの中で現れる違和感とも言えます。

つまり生きづらさは、理解に向かう途中の状態でもあります。

ではどうすればよいのか

必要なのは、「自分を変えること」よりも先に「構造を理解すること」です。

自分はどのような経験をしてきたのか

どのような場面で苦しさを感じるのか

どのような傾向を持っているのか

これらを言葉にしていくことで、少しずつ見え方が変わります。ただし、この作業は一人では難しいことが多い。なぜなら、人は自分の視点からしか物事を見られないからです。

まとめ

生きづらさは、努力不足や性格の問題ではなく、未完結の経験と生まれ持った性向が重なることで生まれる構造的な問題です。

そしてその生きづらさは、理解されていないものがあるというサインでもあります。重要なのは、無理に変えようとすることではなく、まずその構造を理解することです。

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